純真舞台のブログでは、自分の過去のことはあまり書けない。
代表は口癖のように言っている。
「過去の栄誉を売り物にするな。過去の実績で自分を飾り立てるな。過去の栄光に甘えるな。過去の失敗に足を取られるな。自分にあるのは、現在と未来だけと心得よ」
だから、ブログに書けるのは、現在と、これから訪れるであろう未来の話だけということになる。
とはいえ、かつてとある劇作家(SFを得意としていた)はこう言った。
「過去はいつでも新しく、未来は不思議に懐かしい」
「温故知新」という言葉もある。過去(古い時代)を振り返ってみることで、新しい発見がある、という意味だ。だから、過去を振り返ることは悪いことだとは、一概には言えない。そこには、栄光だけではなく、挫折もある。そこから教訓も引き出せる。
ただ、代表の言うことも分かる。過去は甘美な思い出になり易い。現在に比べると、輝いて見えることもしばしばだ。
中島みゆきの「ピエロ」という曲に、
古くなるほど 酒は甘くなる
というフレーズがある。因みに、このフレーズのすぐ前の言葉は「思い出の部屋に住んでちゃいけない」である。
いろいろな意味で過去に縛られて身動きが取れなくなるなら、いっそ振り捨ててしまった方がいいともいえる。
とはいえ、現在の自分は過去の積み重ねでできている。
そして、現在は、恐ろしいスピードで過去になっていく。
過去に関して語る言葉が多くなっていくのは、よく言えば年齢を重ねた、端的に言えば年を食った証拠だ。そう考えると、代表の言うように、意識的にこの先の「未来」に目を向けるようにしなければいけないのかなとも思う。
そこで、未来のことを1つ言うならば、「ゆめいろリーディングvol.2」の公演が決定した。我ながら、流れるような展開での告知である。
まだ少し先の話だが、11月12〜14日に、御茶ノ水KAKADOというライブハウスでの公演となる。KAKADOは、今回も共催となるFairy Angel Promotion &Planningさんが、「ゆめいろらいぶ」という音楽系のライブイベントを定期的に行っている箱だ。JRや地下鉄の御茶ノ水駅から近く、外観も内装もファンタジックで独特な雰囲気を醸し出している。vol.1で使用したカフェトリオンプさんとの違いは、ステージがあることと、照明が使えること。天井も高く、圧迫感がない。
その分箱代はそこそこなお値段なので、ぶっちゃけ採算をとるのが難しいとも言える。
ただ、まだ発表はできないが、出演者はなかなか豪華である。「え、あの人が!」という人も出演予定だ。
脚本は、また保邑リュウジにお願いしている。前回のブログにも書いたが、僕と保邑は、仕事上の相性はよい。ということは、次回のvol.2は、vol.1以上に面白くなる予感しかないということだ。
まだvol.1の動画が世に出ていないのに、こんな強気なことを言ってもいいのかという思いもあるが、何しろ、過去は振り返らない純真舞台である。現在と未来こそが全てなのだ。
僕だって、過去を振り返りたくなる時は普通にある。そういう時の方が多いとも言える。けれど、過去は変えられない(妄想や想像や願望によって、ねじ曲げたり歪めたり、なかったことにしたりすることはできるが)。
しかし、現在の努力や行動によって、未来は変えられる。
何て青臭いことを書いているのだと、自分でも恥ずかしい思いだが、そこが「純真舞台」の「純真」たる所以だ。ここで踏ん張ると決めた以上は、今後のブログでもできるだけ過去の話ではなく、現在と未来について書いていこうと思う。その方が、精神衛生上もいいかも知れない。
とはいえ、もう過去の話の範疇に入るのだけれど、「ゆめいろリーディングvol.1」の映像は、是非楽しみにしていて欲しい。過去に撮ったものではあるけれど、現在に形になって立ち現れてくるものだからだ。
勿論、僕も楽しみにしている。きっと、純真舞台と、この朗読公演に携わった全ての人達の未来を照らしてくれる作品になっていると信じて。
(獅堂裕希)