出演してもらいたいと思っていた俳優さんが、次々に引退していくのは辛いです。

声はかけたけど、タイミングが合わずにずっと機会がなくて、結局相手が舞台を降りてしまう。

本当に残念です。

でも、ついこの前引退宣言をツイッターでした女性の俳優さんの言い分は、分かる気がしました。曰く、演劇界の現状を考えた時、将来に対して不安を抱いたとのこと。勿論、他にも理由はあったのですが、それが最初に掲げられていました。

確かに、コロナ禍で劇場やライブハウスが閉まってしまったり、公演が中止・延期になったりして、活動の場が一気に減りました。今、コロナは下火になりつつありますが、劇場へはまだお客様が戻り切っていないと言われています。大きな目で見れば、物価高や少子高齢化も、エンタメ業界の未来に暗い影を落としています。そんな中、将来に希望を持って活動し続けるのは、なかなか難しいでしょう。今現在、演劇やライブ活動を生業にできていない状態では、ここで「引退」を決断したとしても少しもおかしくはなく、むしろ正しい決断であるとさえ言えると思います。

 

となると、そこにいて続けていく人は、今後どうすればいいのでしょうか。小劇場界全体でどれ位の動員数があるのかという統計がないので、確かなことは言えないのですが、少なくとも右肩上がりではないことは確かです。今までと同じことを続けるだけでは、ジリ貧になっていくことは必至で、何か打開策を見つけなければ、比較的若い世代の流失は今後も続いていくと予測されます。それは、演劇界全体にとっての損失です。

とはいえ、僕ごときが演劇界のために何かできるかといえば、残念ながら難しいでしょう。僕としては、できるだけ演劇界、とりわけ小劇場界隈が盛り上がるように、ワクワクするような楽しい舞台(作品)をお届けすることくらいしか、やれることはないように思います。

また、小劇場の俳優やスタッフが、劇場以外でも自分のスキルを使って食べていくための仕事に繋げられるようなプラットフォームを構築し、提供することも考えています。

 

「好きなことをやっているだけなんだから、食えなくて当たり前」「自己責任」という世間の冷たく突き放した態度を変えさせるような、演劇(エンタメ)の底力を見せつける、そんな取り組みが求められています。若い人もベテランも、この業界の未来に希望を抱くことができ、長く活動を続けられるようにする。ここまで細々とでも活動を続けてきた僕が、そのために少しでもお役に立てるなら嬉しいです。

そのことに本気で、真面目に取り組んでいきたいと思います。

 

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