Fairy Angel Promotion Planning純真舞台 presents【朗読短編集】ゆめいろリーディングvol.2」は、大きなアクシデントもなく、無事に終演した。これもひとえに、足を運んで下さったお客様、応援して下さった皆様、そして会場スタッフをはじめとする裏方の皆様、そしてキャストの皆様のお力のお陰と、感謝の気持ちでいっぱいである。

コロナ禍で、有観客の公演がしにくくなり、中止や延期、そして無観客配信公演が多くなっていた。現在、コロナは下火になっているので、この状態が続けば、また状況も変わるだろう。「ゆめいろリーディング」も、第1回目は無観客配信とDVDでのお届けとなった。今回、本当に久し振りにお客様の前で作品を上演できる喜びを、出演者の誰もが噛み締めたことと思う。実際、出演者の1人は「初日に涙が出そうになった」とSNSで書いている。感染症対策のため、客席数を少なくしたが、それでもカーテンコールで直接拍手をいただける喜びは、何ものにも替え堅い。

 

今回は、保邑作品に加えて、よこはまさちこ氏のシナリオを基にした脚本も上演した。初めての経験だったが、結果的に3つの作品が1つのテーマで貫かれていたので、一定の統一感を出すことができ、バラバラの印象は抱かれなかったと思う。そこは成功であった。

作品の細かいことは、また保邑氏に文章をお願いするとして、演出の僕としては、3作の重いテーマをどうお客様にお届けするかを考えた。せっかくの週末の1日、どうせならリラックスして見られる(聞ける)演目が望ましい。だが、今回は子供を孕った女性を扱った作品が並んだ。それも、表向きは祝福された妊娠ではないという設定だ。これをどうポジティブにお伝えするか。会場にいらっしゃった方はお読みになったと思うが、当パンの短文の「ごあいさつ」で書いたように、僕はどんな妊娠も出産も、新しい命の誕生という意味では、祝福され、肯定されて然るべきという考えだ。その信念のもと、役作りや曲選びを行った。

 

それが功を奏したのか、伝わってくるお客様からのご感想は、概ね好意的なもので、「重かったが楽しめた・考えさせられた」というものが多かった。まさにこちらの狙った通りで、まずはこの公演は成功といっていいだろう。前にこのブログでも書いたが、vol.1ではほぼ「黙殺」されていた僕達の作品だったが、今回は何人もの方がSNSやブログで感想を書いて下さった。それだけでも、本当に嬉しかった。何かが確実に伝わった証だと思われたからである。毎回のお客様の拍手も温かく、力になった。特に2日目は、1作品終わる毎に拍手がきて、励まされたものである。

朗読故に舞台上に動きがなく、表情を見せるのにも限界がある中で、殆ど台詞の力で物語世界を形作らなければならない難しさがあるのだが、会場のライブハウスKAKADOのスタッフさんが「ライブハウスゆえ歌やinst(の演目;筆者注)が多い中、朗読劇だからこその言葉の演技のパワーに改めて感動しました」という感想を寄せて下さったように、今回の作品はどれもお客様を引き込む力があった。それは、現場にいても感じた。

 

終演から1日が経ち、まだロスに陥っているキャストも多いようである。それだけ、演じ手の中にも何かが残った作品になった。出演者が2人降板するというアクシデントに見舞われながらも、何とか踏ん張って、限られた稽古時間の中でベストを尽くしてくれた出演者は、僕にとっても誇りである。この人達に巡り会えて、役を演じて貰ってよかったと、心から思う。

「ゆめいろリーディングvol.2」は幕を閉じたが、後処理もそこそこに、すぐに「ゆめいろリーディングvol.3」のことを考えなければならない。今回のゆめリーは、僕にとっては大きな収穫となった。お客様の数は限られていたが、コロナ禍の中、エンタメをお届けできたことはよかったし、何度も言うが、確実に何かが伝わったという手応えがあった。今後、持続可能なイベントにしていくための課題は山積しているが、1つひとつ乗り越えて、次に繋げていけるようにしたい。

 

なお、配信のアーカイブ動画は、11272359分まで視聴可能である(有料)。

予定が合わず、見に来られなかった方、遠方の方、もう一度あの感動に浸りたい方は、こちらからご覧いただきたい。
(備考欄に、必ず「○○扱い」と関係者の名前を書いてほしい。) 

また、後日DVDの販売も予定している。

 

(獅堂裕希)

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